30万目当てに買い物ブログ書いたら宿題に出会った話

H.I.Sの復興割りを使って熊本に行ってきました。
父からのリクエストです。熊本は2014年以来2度目。
4月の地震で熊本城が倒壊してしまい、
武者返しの石垣が崩れているのをテレビで見たようで、この目で見たいというのです。

復興割りは7月1日から各旅行会社で発売され、瞬く間に完売でした。
売り切れ続出という言葉に慌てた私。復興割りにこだわってよく調べもしないで
成田発熊本行き2泊3日をネットでポチっ。

プランは往復航空券付き熊本市内ホテル2泊3日(朝食付き)で1人17900円。
安いっちゃー安い。ですが、比較サイトで見ると羽田発が同等の値段で発売されているし、
成田までの運賃を考えると(日暮里成田間、2470円特急で約40分)、
ゆっくり選べば良かったと若干後悔しつつ、旅の準備をしたのでした。

続く

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熊本旅②〜その電車で行ったら飛行機乗り遅れるってよ〜

2泊3日の熊本旅。出発前からハプニングの連続でした。
そうなんです。タイトル通り、飛行機に乗り遅れたんです。

今回のツアーは8:55成田発(ジェットスター)10:50熊本着。
父は静岡から前のりして我が家に泊まり、
朝6:30発の電車で成田に向かいました。

到着予定時刻は8時。ジョルダンがそう言ってました。
が、結果は8:20着。

誤算は日暮里でした。
成田までの特急「日暮里ライナー」の券売口全部に長座の列。
これを見た時愕然としましたね。忘れてた。今日は日曜だった。
電車を一本見送り、8:20着の電車で成田に急ぎます。
でもこの時の私、到着は出発30分前だし、
なんとかなるでしょと、思いの外余裕があったんです。
今考えると能天気!幸せ者か!(そもそも8時到着がアウトなんですってね。)

8:20成田第2ターミナルに到着しました。
ジェットスターの搭乗窓口は第3ターミナルです。
歩いて15分。連絡バスで10分〜15分(7分間隔)。
バスが確実だと乗り場に走ったらちょうど良くバス到着。
神様ありがとーって思ったら人ぱんぱんで
次のバスへご乗車願いま〜すとのアナウンス。OMG!
7分は待てないし、乗り場から連絡通路までは遠いしと
悩んでいると、目の前にタクシーが。
藁にもすがる思いで乗り込みました。
そしたら運ちゃんに怒られちったよ。

ただ、この時の私、まだいけると思ってました。
窓口で熱弁を振るえばどうにかなると。
世の中そんなに甘くはないっすね。
ジェットスターのお姉さんにどんなボールを投げようが
返ってくるのはご搭乗いただけませんのお返事でした。
そりゃそうだ。とっくに手続き終了の時間すぎてるんですもの。

父との旅行がこんな形でTHE ENDを迎えるのかと
悪い想像しか映らない脳内。
ひどい顔で父を見ると、
買い直しができないか聞いてみようと言ってくれました。
あの時のお父ちゃん、優しかった。
首を150度くらい縦に振って、うん!って言った気がします。

そしたらなんと!1人3000円で搭乗変更ができたんです!
ジェットスター様々!!
ただし、出発時間は夕方16:30。ただいまの時刻8:50。
持て余しまくるけれど今日中に熊本に行けるならと、
手続きをしてもらったのでした。

続く

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父との熊本旅行vol.3

私の無茶苦茶なスケジューリングによって飛行機に乗り遅れた熊本旅行。
ジェットスター様の計らいによって16:30出発の便に変更できました、これが朝の9時。

はて。成田空港でどう過ごそうか。
本は持っているけど、さすがに7時間はやり過ごせない。
外は土砂降りの雨で成田山に行くのもしんどい。
そしたら父が映画を観に行こうと言い出しました。
成田空港から映画館まではバスで40分。
(このバスにも乗り遅れて今度は喧嘩した。)

到着したのは成田市にあるイオンの映画館です。
今度は乗り遅れられない!と、観たい映画ではなく時間が合う映画にしました。
で、それが「君の名は。」だったんです。

ご存知の通り、男女が入れ替わってキュンキュンすると名高い今年のウルトラヒット作品です。
だから、時間的に「君の名は。」しか選択肢がないとわかった時、
えー父ちゃんと見るのかーと思いました。
でも、これ、このタイミングで観たことで、まじで飛行機乗り遅れた意味あったと思いました。

続く

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熊本旅行 vol.04

H.I.S.では行きたい県、日数、出発エリアを選びました。
が、よく調べると宿泊場所を変えられ、しかも県をまたいで変更可能な復興割りもありました。
割引率は同一県の方が良かったけど、
県をまたぐプランはレンタカー付き(しかもガソリン満タンにせず返却OK)だったり、
観光スポットの割引券がついているので、よく吟味すればよかった。

ちょっとの後悔を抱えて入金を完了させると、父が由布院にも行ってみたいと言い出しました。
スポンサーの言うことは絶対です。

熊本からのアクセスを調べたところ、電車をお勧めする方が多かったのですが

どうやら地震で線路が寸断されたそう。なので観光協会に電話して教えて頂きました。
現在、熊本市から由布院に行く方法は2つ。車で2時間半か、
久留米まで電車で出て特急で由布院への2時間15分。

スポンサーにご報告すると「うーん、何だか高千穂も気になってきた。」と。
絶対だ、スポンサーの言うことは絶対なんだ。若干萎え気味に電話を切り、
ガイドブックで高千穂を見ると、
やばーい!今回高千穂メインじゃない?ってくらい美しい景色が載っていました。

で結局、今回の旅は1日目:成田市君の名は。鑑賞、2日目:熊本城と益城町
3日目:高千穂と阿蘇の旅。
1日目の夜、ホテルに到着すると2年前と同じホテルで2人でうっひょーとなったのでした。

続く

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熊本旅行vol.005

熊本1日目の夜。朝早かったので疲れているはずなのに、全然眠れませんでした。
成田で観た映画「君の名は。」が私の何かのスイッチを押したからです。
ここからはネタバレあります。

君の名は。は、ご存知の通り、入れ替わった男女の物語。
彗星が地球に最接近して、みんなで空を見上げて「わー綺麗!」となるはずが、
彗星が分離して、みつは(女の子)の住む村に落下。村は変わり果てた姿になります。
それを知った滝くん(男の子)は落下直前に戻ってみんなを避難させる。
彗星を見上げながら全力で走る滝くん(外見はみつは)の言葉。行動。

私のふるさとは30年前から、地震が来ると言われています。
中2の理科の時間、プレートの勉強をした時も、
先生がいつ地震が来てもおかしくないと言っていたし、防災訓練も全力でやりました。
かれこれ20年前です。

本体から分離して、みつはの村に落ちていく彗星。彗星を地震に置き換えると、
故郷もこんな状況なのかな、と頭を過ぎりました。
だとしたら、私は何をするだろうと考えたら止まらなくて、
やってみたいことがたくさん出てきました。だから地元のみんな、今度聞いてね!

続く

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熊本旅行 with父 vol.006

地元でやりたいことが浮かび、興奮気味に迎えた2日目。土砂降りの熊本。
熊本城を見に行きました。熊本城は中に入ることができず、
近くの神社や市役所の4階だったかな?の展望台から天守閣を眺めることができます。
青いビニールシートが所々にかぶさっていて、
たくさんの絆創膏を貼っているようで痛々しかった。

市役所にはたくさんの方が家の解体手続きの抽選会に来ていました。
今回初めて受けられると胸をなでおろす人もいて、
どんな顔をしてそこにいたらいいのかわからなかった。
熊本市内を歩くと街の中心部の家が傾いていたり、赤い紙が貼られていました。
いつ崩れるかわからない家の目印。窓から覗くと、割れた食器や家財がそのまま残っていました。
急に人がいなくなって寂しそうな家。まだ通れない道もありました。

熊本城の隣には城彩苑というお土産処と、
熊本の歴史を知ることができるミニシアターがあります。
ここ楽しかった!10分程度の映像が上映され、5種類だったかあって、
父リクエストで3本見ました。なんだかんだで3時間ほど過ごしました。

楽しさから一転、道中、「昨日眠れなくてさぁ。」と、
地元でやってみたいことのさわりを話したら、
「夢で腹は膨れんよ。」やらかにやらとフルボッコ
「お父さんの言うことは正しいけど、私は子どもたちが未来を楽しみにできるような、
キラキラした大人になる。やりたいことに挑戦する。」と啖呵を切り、
途中から不穏な空気の中、お父さんと雨の熊本を歩いたのでした。

続く

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父との熊本旅行 vol.007

ダニエル・クレイグは引退しない意向を示したようですね。
スペクターは冒頭のメキシコシーンから最高でした。

2日目、雨の熊本市
お昼前、市役所から熊本城を見た後、父が益城町に行きたいと言い出しました。
益城町は4月の震災で5000棟以上が倒壊し被害が大きかった町です。
熊本市からのアクセスは車で40分ほど。当初予定していた天草観光をやめ、
レンタカーを借り益城町へ。

ちなみに天草のイルカウオッチングは99%イルカが見られるそうで、
観光協会の方が一押しと仰っていました。

益城町に入ると、崩れた家があちらこちらにあって、言葉を失いました。
だってね、家の1階の部分がペッシャンコになって、2階部分が1階にあるの。
地震が起きたのは夜の10時前くらいだったかな、その時間だと田舎では家にいますよね。
1階にもいるよね。それ以上、私と父は言葉が出てきませんでした。

続く

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父との熊本旅行 vol.008

見ず知らずの益城町、役場を目指ししばらく走っていると、「なにかが変だ」と父。
またしばらくして「わかった!」と。電柱が斜めになり、
道路もうねっていて家も傾いているので、世界が斜めになっているように感じたんだそうです。

もし地元で起きたらどうなるのだろう。私の家族や親戚はどこで暮らすんだろう。
前日に観た君の名は。の影響で、益城町の風景を地元に変換していました。

益城町役場の向かいにスーパーがあって、熊本の美味しい野菜や果物がずらり。
直売所や温泉にも行ってきました。で何を思ったか、父ちゃん巨峰3房とトマト10個購入。
箱入りとかじゃないやつ。

え?旅先で?今夜馬肉食べるよ?で、今3時だよ?って目を丸くして父ちゃんを見たけど、
満面の笑みで「食いたい」って。もう笑うしかなかった。

後先あんまり考えない性格って父ちゃん譲りでもあったんだなーと嬉しくなりながら、
お父さんをまた好きになったのでした。

続く

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父との熊本旅行vol.009

お夕飯は馬肉を食べる予定で部屋を出ました。
私がフロントに鍵を預けている時、ロビーで父がチラシを見つけました。
「熊本城の瓦を使った茶蕎麦」。チラシには、瓦の上に具沢山のそばがのっている写真。
「見つけちゃったんだもん。」と父。こちらに変更です。
(ここ、肥後の陣屋といって、いけすがあってお刺身も馬肉も食べられたので結果オーライ。)

お酒を飲みながら父と色んな話をしました。
私がこの一年で随分と自分を知ることができて楽になったこと、
オープンな心でいると楽しいことが次々とやってくること、亡くなったじいじのこと、
そして益城に行って地元への想いが強くなったこと。
この頃から父から出てくる言葉に明るさを感じました。

話して笑泣きして心がスッキリ晴れてお店を出て、コーヒーを飲みに行ったスタバにて。
「実はお父さんもやってみたいことがある。」と話し始めました。
それがめちゃめちゃワクワクするもので、
私の夢とお父さんの夢が合体したら超楽しいよ!と盛り上がりました。
この日の朝「夢で腹は膨れない」と言っていた父が
その日のうちにこんなに変化するなんて!父の柔軟性に驚かされた1日でした。

続く

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父との熊本旅行 vol.010

旅行最終日、熊本を出て車で宮崎・高千穂峡に行ってきました。
レンタカーで昨日買ったぶどうやトマトを頬張りながら
県道445号線をどんぶらこどんぶらこ。
約2時間でした。

高千穂峡は渓谷にわっしゃーと流れる「真名井の滝」が有名で、
わーしゃーなってるのをボートに乗って間近で見ることができます。
この日は台風による増水の影響で残念ながらボートはお休み。
マンゴーの時期にリベンジにしよう!と再訪を誓い、しばし渓谷をお散歩。

ゆったり歩いていると池があって、そこに無数の巨大なチョウザメが泳いでいました。
1mはあるんじゃなかろうか。それが30cmくらいの鯉と一緒にうにょうにょ泳ぐ池。
「でかー!こわー!」と騒ぐ私と「キャビアキャビア!」と連呼する父。
マイナスイオンを浴びて気持ちが落ち着くどころか、針振り切れちゃいました。

そこから車で10分弱。縁結びの「高千穂神社」にも行きました。
ここ良かった!
鳥居をくぐった瞬間の空気の引き締まり方がすごかった。自然に背筋が伸びました。

境内には夫婦杉(めおとすぎ)という2本の杉があって、
夫婦・恋人・友人と手を繋いで3周するといいご縁になる、みたいに書いてありました。

30代の女性2人組が嬉しそうにぐるぐるしていて、私も父を誘いました。が、断固拒否!
3回誘ったけど全然ダメ!だって裕子とは夫婦じゃないもんと、
ごもっともなご意見で振られました。

続く

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父との熊本旅行vol.011

高千穂から熊本への帰り道は、阿蘇を通って戻ることにしました。2年前に行った阿蘇
美しい大自然、青々とした牧草地は変わっていませんでしたが、
山の斜面を見ると、木が無くなって土が剥き出しになっていました。
大きな手がやってきて引っかいたような、文字通り爪痕のように山肌がかじられていて、
そんな山がいくつもありました。頂上から麓まで崩れている山もあって、
あの時どうで、これからどうしていくんだろうと思ったら途方に暮れそうでした。

温泉入りたいねーと話しながら運転していると2年前にたまたま寄った温泉を発見!
父大興奮。内風呂と露天風呂とサウナがある立ち寄り湯です。
露天風呂に寝湯があって、寝そべった視界には空の青と木々の緑のみ。
何にも考えない極楽な時間を過ごしました。

休憩所で父が地震後の南阿蘇について詳しく教えてくれました。
水道管が破裂したり大橋が崩れてインフラ復旧の目処が立たないこと、
未来が見えなく暗い気持ちになっていること、
温泉を避難所として利用しているので営業時間を短縮したこと。

番頭のお母さんが話が好きな方で声を掛けたら色々教えてくれたと言っていました。
私はラジオの仕事をしていてインタビューをするのですが、
こういう父の遺伝子が仕事に活きていると思うと、感慨深い気持ちになったのでした。

 

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父との熊本旅行vol.011

あれだ。神様は乗り越えられない壁を与えないって聞きますけど、
壁って誰かや何かを失うという外的要因だけではないんですね。
内的要因によってできた壁の方が強固で風化されないんですね。
時間が解決してくれず、自分で壊すしかないんだなー。とさっき知りました。

最初は気軽な気持ちで書いていた熊本旅行記。
ところが最後の締めを書くにあたって、私は重大なことに気がついてしまいました。
父と母は15年以上別居しています。別居を機に私は父との関係が改善し、
以前より向き合うことが多くなりました。

しかし、気づいてしまったのです。
お父さんは本当はお母さんと旅をしたいのではないか?
んだし、私って重度のファザコンじゃね?自立できてなくね?です。

ちょーっとこの短時間ではこれらを処理どころか交通整理することもできないし、
無理にまとめるのも嫌なので、
この旅行記は私の宿題が明らかになりました!ってところで終わりにします。
これから私は本当の自立、健全な依存について取り組んでいく次第であーる。
ご精読ありがとうございました!

 

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